肉体的に楽な仕事かどうかは自身が働くうえで非常に重要な情報で、事前に知っておけば働きだして後悔することは少なくなります。
特に扱う荷物量の多いトレーラーでは、肉体的に楽な仕事を選ぶことが長期間働けるポイントになります。
そこでこの記事では、業界歴20年以上、トレーラー運転手歴15年の経験をもとに、肉体的に楽な仕事ランキングと題して、トレーラー運転手の仕事内容に触れながらランキングを付けて解説していきます。
他業種からの転職や同業からの転職を考えているのであれば、ぜひ参考にしてみてください。
トレーラー運転手の仕事内容は車種によって違う
トレーラーと聞くと、一番最初に思い浮かぶ車両がセミトレーラーウィング車ですよね。
一番最初に思い浮かぶ理由としては最も総数が多く、多用途に使用されているからですが、セミトレーラーウィング車だけがトレーラーではなく、運ぶ荷物に特化したセミタンクトレーラーもあります。
例えば原木輸送に特化したセミスタンショントレーラー。
長尺の鋼材や橋脚、電車など分割できない荷物の輸送に用いられるポールトレーラー。
重機輸送に特化した重機運搬セミトレーラーなど、形は違えどすべて同じトレーラーです。
トレーラーと一言で言っても扱う荷物が変われば働き方も変わり、肉体的負担も大きく変わってきます。
そのため、車種別の特徴や運ぶ荷物を把握しておけば、肉体的負担が大きいのかそうでないのか判断できるようになるので、しっかりと理解しておきましょう。
トレーラー運転手の肉体的に楽な車種ランキング
ここでは、トレーラー運転手の肉体的に楽な車種ランキングをご紹介していきます。
あくまでも肉体的負担が少ない車種のランキングになりますので、職種選びの参考にしてみてください。
- 手作業がないこと
- 荷物の固定が必要ないこと
- トラックの乗り降りが少ないこと
の3つを選考基準に選んだ肉体的に楽な車種ランキングとなります。
ランキング1位 ダンプトレーラー
トレーラー運転手の肉体的に楽な車種ランキング1位は「ダンプトレーラー」です。
ランキング1位の理由は荷物である土砂や砕石に手で触れることが基本的にないこと。
そして、荷物の固定は全くする必要がなく、トラックから降りることもほとんどありません。
また、ダンプトレーラーは一般的なダンプと違い個人への配達や、現場への直送もほぼなく砕石場や工場への運搬がほとんどです。
そのため、肉体的に楽な車種ランキング1位となりました。
- 平均年収は390~550万円
- 平均給料は30~45万円
ダンプトレーラーについてもっと詳しく知りたい方は、下記記事を参考にしてください。
ダンプトレーラーの給料や年収を解説!仕事内容や必要な免許と資格までご紹介!
ランキング2位 海コントレーラー
ランキング2位は「海コントレーラー」です。
海コンとは、海上コンテナの略称で主に海外への海上輸送に用いられます。
コンテナ内部への積み下ろしは運転手が行うのではなく、専門の作業員または顧客、荷主が行う決まりになっています。
そのため、運転手自身が荷物に触れることはなく肉体的負担はありません。
しかし配達後にコンテナ内部の清掃作業があることもあるのでダンプトレーラーに比べると多少に肉体的負担があることが、ランキング2位の理由。
※会社によってコンテナ内部の清掃も作業員が行う場合があります。
- 平均年収400~500万円
- 平均給料30~40万円
海コントレーラーについて、もっと詳しく知りたいという方は下記記事がおすすめです。
海コントレーラーの給料や年収を解説!仕事内容やきついポイントとは?
ランキング3位 タンクトレーラー
ランキング3位は「タンクトレーラー」です。
タンクトレーラーは液体や粉粒体の輸送に特化した車両で、ランキング1位、2位と同じく荷物に触れることはなく、肉体的負担の少ない車種になります。
荷物の固定も必要ありませんが、積み込む際にトレーラー部分の屋根に乗ったり、ホースをつなぎ変えたりと、ある程度の肉体的負担はあることがランキング3位の理由。
- 平均年収480~600万円
- 平均給料40万円~
タンクトレーラーについて詳しく知りたい方は下記記事がおすすめです。
タンクトレーラーの平均年収と給料は?仕事内容や必要になる資格を紹介します!
ランキング4位 フルトレーラーバルク
ランキング4位は「フルトレーラーバルク」
バルク車とは主に粉粒体の輸送に使用されるトラックで、一般的には袋に詰めないと運搬できない粉粒体のままトラックに積み込むことができます。
荷物に触れることがないのになぜランキング4位なのかというと、扱う荷物によってトラックの上部に乗って積み込むことがあるからです。
特に飼料を運搬するバルク車では上部に乗って積み込みをすることもあり、乗り降りに肉体的負担があるためこの順位となりました。
ランキング5位 フルトレーラー深ダンプ
ランキング5位は「フルトレーラー深ダンプ」
深ダンプとは別名土砂禁ダンプ呼ばれ、普通のダンプのように土砂や砂利の輸送はできません。
輸送する荷物は、比重の軽い牧草、飼料、ゴミ、石炭、チップ、鉄くずなどで荷物に触れることはなく肉体的負担は少なくなっています。
しかし、上記画像のように荷物の飛散防止のためにネットをかける必要があり、多くの荷物を積んでいると、ネットが荷物に引っかかりなかなか張ることができません。
ランキング上位にはない荷物の固定が必要になるためこの順位。
ランキング6位 ポールトレーラー
ランキング6位は「ポールトレーラー」
ポールトレーラーは、ステアリングドローバーを伸縮することで車体の長さを変えられるため、分割できないような長さの荷物の運搬が主な仕事。
荷物の積み下ろしに肉体的負担はありませんが、荷物の固定が必要なことと、トラック荷台への上り下りがあることからこのランキング。
ランキング7位 重機運搬セミトレーラー
ランキング7位は「重機運搬セミトレーラー」
重機運搬セミトレーラーの仕事はショベルカーなどの重機輸送が主な仕事。
荷物が重機なので運転手自身で荷台に積み込むことがありますが、肉体的負担は少なくなっています。
しかし、重機をチェーンブロックなどで固定するために、数か所チェーンブロックといわれる固縛道具で止める必要があり、場合によっては太いワイヤーで固定します。
そのため、荷物に肉体的負担はありませんが、固定に肉体的負担があることがランキング7位の理由。
ランキング8位 キャリアカー
ランキング8位は「キャリアカー」
キャリアカーは車を輸送することが仕事で、肉体的負担はないイメージがありますが、車の積み下ろし時の上り降り、車の固定など荷物に触れる以外での肉体的負担があります。
手作業に比べると肉体的負担が少ないですが、上位にいる車種と比べると負担が大きいことからこのランキング。
ランキング9位 セミスタンショントレーラー
ランキング9位は「セミスタンショントレーラー」
セミスタンショントレーラーは主に鋼材や原木輸送に使用されるトラックで、荷物の積み下ろし作業に肉体的負担はありません。
荷台に取り付けた棒によって木材を支えながら運搬するスタンションは、積み込む長さの荷物によって差し替える必要があり、ここに肉体的負担が発生します。
スタンション一本の重量は20㎏~30㎏程度で、積み込むたびに差し替えると大きな負担となり、荷物の固定も必要になるのでランキング9位。
ランキング10位 セミトレーラーウィング車
ランキング10位は「セミトレーラーウィング車」
日本国内で最も多用途に使用されている車両のため、トレーラーといえばこの車両が思い浮かぶことが多いトラック。
輸送する荷物は「何でも」で積めるものであればなんでも輸送します。
そのため、20t以上を人間の手で積み下ろす作業があり、肉体的負担はトップクラス。
もちろん、全てのセミトレーラーウィング車で手作業があるわけではありませんが、手作業がある可能性があることからこのランキング。
しかし、セミトレーラーウィング車は多くの荷物を扱うので、乗務経験があればどこの運送会社に転職しても役に立ちます。
ランキング11位 セミトレーラー平ボディ車
ランキング最下位は「セミトレーラー平ボディ車」
ランキング最下位の理由は手作業があることでウィング車と同じだが、平ボディ車にはシート張りといわれる作業があり、肉体的負担はトップクラス。
セミトレーラー平ボディ車のシートは50㎏近くあるので、広げるだけでも一苦労で、折りたたむ時にも大きな負担があります。
そのため、手作業と合わせると最も肉体的負担が多く、最下位というランキングとなりました。
未経験ならランキング下位を狙うと採用率アップ!
未経験者でトレーラー運転手になりたいという方は、ランキング最下位のセミトレーラー平ボディ車とセミトレーラーウィング車が、採用される可能性が高い車種になります。
なぜなら、現在日本国内において最も車両数が多く、肉体的負担が多い車種だからです。
また、車両総数が多いということは、それだけ求人数も多く「未経験者でも可」といった求人が見つかりやすいからです。
そして、手作業という仕事はベテラン運転手からは敬遠される仕事で、常に運転手が不足していることも未経験者が狙うべき理由となります。
もちろんすべての作業が手作業というわけではなく、一定数ある会社があるということなので、必ず手作業をしなければいけないということではありません。
トレーラー運転手に未経験者が採用されるためには、過去の運転経験や仕事内容が大きくかかわり、最低でも4tトラック以上の経験が求められ、簡単にはなれません。
しかし、「経験を積む」という目的で車種を選ばなければ、未経験者でもトレーラー運転手には必ずなれます。
まずは、トレーラー運転手として採用されることを最優先とし、経験を積んでから希望する車種のトレーラー運転手への転職を目指しましょう。
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まとめ
トレーラー運転手の仕事は車種によって大きく肉体的負担が変わります。
そのため、肉体的に楽な仕事ランキングを参考に、自身がなりたいトレーラー運転手を目指してみてください。
また、未経験者が採用されやすい車種は「セミトレーラーウィング車」と「セミトレーラー平ボディ車」です。
この2車種で経験を積むことが目指すトレーラー運転手への近道となりますので、まずはトレーラー運転手として採用されることを最優先に、転職、就職活動を行ってください。
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