タンクトレーラーに興味のある方にとって、平均年収や給料は転職を決める重要なポイントになりますよね。
平均年収や給料が分かることで、イメージが湧きやすくなり、具体的な行動に移しやすくなります。
そこでこの記事では、タンクトレーラーの平均年収や給料について、業界歴20年以上の経験をもとに詳しく解説していきます。
また、仕事内容や必要な免許や資格についても合わせて解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
タンクトレーラーとは?
タンクトレーラーとは、液体を輸送するためのタンクがそなわったトレーラーのことです。
一般的には石油輸送に用いられることが多く、動く液体で横転してしまわないように低重心になるよう設計されています。
車種によって20kl~30klの液体を一度に輸送することができ、主に石油基地からガソリンスタンドへ配送するために使用されています。
タンクトレーラーの平均年収と給料
タンクトレーラーの平均年収は480~600万円、平均給料は40万円~となっています。
職種\収入 | 平均年収 | 平均給料 |
タンクトレーラー | 480~600万円 | 40万円~ |
トレーラー全体 | 450~600万円 | 35万円~ |
トラック運転手全体 | 463.2万円 | 38.6万円 |
トレーラー全体、トラック運転手全体の平均年収や平均給料と比較して、高給であることが多くなっています。
タンクトレーラーは、一般的に地場輸送がメインとなりますが、収入的には中・長距離トレーラー運転手と比べても、遜色のない水準であるといえます。
収入の水準が高い理由として、輸送する荷物に合った資格が必要になることと合わせて、トレーラーの運転ができる方が少なくなっていることが、収入が高くなっている理由です。
トレーラーの運転ができて、資格を有している人はレアな存在!
タンクトレーラーの仕事内容と一日の流れ
タンクローリー運転手の仕事内容は、一般的なトラックドライバーと大きくは変わりません。
石油基地などで運搬する荷物を積み込み、納品先まで運び、荷下ろしをする作業を1日に数回繰り返すことが主な業務です。
ただし、運搬する荷物が気体や液体、小麦粉のような粉粒体などである点が、ほかのトレーラー職と違い特殊な一面です。
タンクトレーラーは荷物が特殊!
そのため、荷物の積み込みや荷下ろしはほとんどが自動化されており、運転手が手作業で行うことは少なく、結果として、肉体的な疲労はそれほど多くありません。
タンクトレーラーの一日の流れは
- 05:00 出社~点検→出庫
- 06:00 基地到着~積み込み開始
- 06:30 積み込み完了~出発
- 08:00 納品先到着~荷下ろし開始
- 08:30 荷下ろし完了~移動
- 10:00 荷下ろし先到着~荷下ろし開始
- 10:30 荷下ろし完了~空車
- 12:00 休憩
- 13:00 移動開始
- 14:30 帰庫
- 13:00 終業
あくまで一例ですが、一日の流れはこのように積み込みから配送までを行います。
タンクトレーラーのメリットとデメリット
ここでは、タンクトレーラーのメリットとデメリットについて解説していきます。
メリット
手作業がない
タンクトレーラーのメリットは「手作業がない」ことで、肉体的に楽な仕事の部類に入ります。
手作業は多くの運転手に敬遠されるような仕事で、手作業が原因となり転職を希望する方も多くなっていますが、タンクトレーラーではその心配はありません。
また、手作業がないということは、荷物の種類による運転手同士の摩擦も起きにくく、人間関係も良好であることが多くなっています。
そのため、手作業がないことはタンクトレーラーの大きなメリットです。
手作業がないのは大きなメリット!
平均年収が高い
タンクトレーラーのメリット2つ目は「平均年収が高い」ことです。
一般的にトレーラー運転手でも地場がメインの輸送であれば、年収300万円台ということもありえます。
しかし、タンクトレーラーは地場輸送がメインでも400万円を下回るようなことはないでしょう。
もちろん住んでいる地域によって増減はありますが、「トレーラーの運転手+有資格者」は希少性があり価値があるため、収入に反映されやすいのです。
万が一、400万円を下回るような運送会社があれば、そのような会社は選ばず、現在働いているのであれば転職を視野に入れるべきだと言えます。
平均年収が高いことがメリット!
デメリット
危険性が高い
タンクトレーラーのデメリットは輸送する荷物が「危険物」であることが多く、危険な仕事だということです。
もちろん、危険物以外にも水や原料など危険性のない荷物も運びますが、一般的にタンクトレーラーが輸送する荷物は危険物が最も多くなっています。
そのため、常に危険と隣り合わせであり大きな責任も伴います。
手作業がなく肉体的な負担はありませんが、他のトレーラー職と比べると危険性の高い職種であることは理解しておく必要があるでしょう。
常に危険がある!
繁忙期がある
タンクトレーラーがメインで輸送する荷物は燃料で「繫忙期」があることがデメリットです。
燃料が最も消費される時期は冬季であり、家庭用暖房の灯油に限らずビニールハウスなどでも燃料の使用は多くなります。
そのため、タンクトレーラーの繁忙期は冬季であり、夏場に比べて配送件数も増え、回数も増加していきます。
タンクトレーラーは有資格者でないと運転・配送することができず、繁忙期だけドライバーを増やすといった対応が難しい職種です。
そのため、繁忙期であっても在籍しているドライバーで対処することが多くなるので、繁忙期は忙しくなる傾向があります。
繁忙期でも増員が少なく忙しい!
タンクトレーラーに必要な免許と資格
タンクトレーラーに必要な運転免許は
- 大型免許
- 牽引免許
上記2つの運転免許が必要になり、大型免許は21歳、牽引免許は18歳から取得することができます。
大型免許の取得にかかる費用は
- 教習所では所持免許によって21万~35万円程度
- 一発試験であれば1万8000円
牽引免許取得にかかる費用は
- 教習所では10万円強
- 一発試験では6000円程度
となっています。
タンクトレーラーに必要な資格は
- 危険物タンクトレーラー=危険物取扱者乙4類
- 高圧ガスタンクトレーラー=高圧ガス移動監視者
が必要になります。
危険物取扱者乙4類は、ガソリンなどの可燃性液体を扱える資格で、特にガソリンなどの液体燃料の輸送に欠かせない資格となっています。
高圧ガス移動監視者は、高圧、可燃性ガス、酸素、毒性ガス、LPガスなどの高圧ガスの輸送を監視するために必要な資格となります。
この資格は、タンクローリーなどで規定量以上の高圧ガスを運搬する際に必要となり、資格取得は、高圧ガス保安協会が実施する講習を受けることで可能です。
必要な免許と資格
- 大型免許
- 牽引免許
- 危険物取扱者乙4類
- 高圧ガス移動監視者
セミタンクトレーラーへの転職を成功させるためには?
危険物輸送に関わることの多いタンクトレーラーへの転職難易度は高く、未経験者で採用されることは難しいでしょう。
そのため、自身の置かれている状況に合わせた転職活動が必要になります。
- 大型トラック経験あり
- 大型トラック経験無し
- 他業種で未経験
の3つの状況が考えられますが、共通して「大型免許・牽引免許・危険物輸送に関する資格」は必須なのですべて取得済みで転職活動を行ってください。
大型トラックまでの経験があれば、運送会社によっては未経験でも採用される可能性があるので、経験を積む意味でのトレーラー職探しと並行して、タンクトレーラーへの転職活動を行います。
大型トラックまでの経験があれば採用される可能性は高い!
大型トラックの経験がないのであれば、大型トラックもしくは未経験でも採用される他のトレーラー職でトレーラー運転の経験を積んでください。
他業種から未経験でタンクトレーラーを目指すのは非常に難しいので、まずは運送業界に転職して同業からの転職といった状況を作ります。
このとき、理想としては小型からトレーラーまで多くの車種を有する運送会社を選んだください。
- 運送会社に転職し同業からの転職に変える
- 小型~トレーラーまでを所有する会社探しが重要
こうすることで、転職しなくても経験を積みながら社内でトラックのサイズを大きくし、最終的にトレーラー運転手になる道筋が立てられます。
最後に、どの状況においても求人情報の収集は必須であり、タンクトレーラーへの転職を成功させるための秘訣でもあります。
求人情報の収集にはハローワークのインターネットサービスと合わせて
- 大手転職求人サイト
- 運転手専用の転職求人サイト
をフル活用して自身の希望にあった求人を探してください。
転職求人サイトを利用するときの注意点としては、できる限り多くの転職求人サイトを利用して「非公開・未公開」の情報を取得します。
できる限り多くの転職求人サイトを利用することで、見逃しが少なくなり希望にあった求人が見つけやすくなるので、フル活用してタンクトレーラーへの転職に役立てて下さい。
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まとめ
タンクトレーラーの平均年収は480万~600万円、平均給料は40万円~となっており、一般的なトラック運転手よりも高収入となっています。
タンクトレーラーのメリットとして手作業がなく、平均収入が高いことが挙げられますが、デメリットとして危険性が高い、繁忙期があるなどの点もあります。
タンクトレーラーのドライバーとして働きたいのであれば、大型免許と牽引免許は必須となり、輸送する荷物に合わせた資格が必要になります。
転職や就職を成功させるためには、運転免許の取得や必須資格の取得とともに、転職求人サイトでの情報収集が欠かせません。
しっかりと情報収集を行い、自身の希望に合ったタンクトレーラーの求人を見つけましょう。
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